ロボアドバイザーとは?退職金を自分で運用しなくていい“おまかせ投資”という選択肢

アイキャッチ画像 ロボアドバイザー
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はじめに|投資はしたいけど、何を選べばいいか分からない…

退職金や長年の貯金を、少しでも有効に活かしたい。
でも、「どんな投資商品を選べばいいか分からない」「失敗したらどうしよう」と不安を感じる方も多いと思います。

そんなときに選択肢となるのが、ロボアドバイザーという仕組みです。

これは、いくつかの質問(年齢・資産額・リスクの考え方など)に答えるだけで、自分に合った投資プランを自動で作成し、自動で運用してくれるサービスです。

具体的には、

  • 株や債券などを自動で組み合わせて投資
  • 世界中の市場に分散して投資
  • 定期的な調整や税金の管理もすべて自動

これらをすべて、専門家の考え方をもとにした仕組みが行ってくれるので、
投資先を自分で選ぶ必要がなく、スマホだけで完結できるのが大きな特徴です。

この記事では、ロボアドバイザーのしくみやメリット、向いている人、実際の使い方を、投資が初めての方にもわかりやすく解説していきます。

ロボアドバイザーとは?自動で「あなたに合った投資プラン」を作ってくれるしくみ

ロボアドバイザーとは、パソコンやスマートフォンからいくつかの質問に答えるだけで、自分に合った資産運用のプランを自動で作って、運用までしてくれるサービスのことです。

質問される内容はとてもシンプルで、

  • 年齢
  • 現在の資産額
  • お金を使う予定がある時期
  • リスク(価格の上下)への考え方

など、数分あれば答えられる内容ばかりです。

その回答をもとに、ロボアドバイザーのシステムが、「どんな商品に、どれくらいの割合で投資すればよいか(=資産配分)」を自動で提案してくれます。

実際の流れは以下のようになります。

  1. 質問に答えて、自分の投資スタイルを診断
  2. おすすめの運用プラン(株・債券などの割合)が提示される
  3. そのまま入金すれば、自動的に投資がスタート
  4. 市場の動きに応じて、資産の調整(リバランス)も自動で実行

たとえば、世界中の株式や債券、不動産に分散して投資されるようになっており、個人では難しい「バランスのとれた運用」が自動でできる仕組みになっています。

また、運用中に利益が出た場合の税金対策(節税処理)まで自動で対応してくれるものもあり、投資に詳しくない方でも、安心して長期的な運用が続けられるよう工夫されています。

ロボアドバイザーのメリット

知識がなくても始められる

ロボアドバイザーの最大の特徴は、投資に関する専門的な知識が一切なくても始められる点です。
最初にいくつかの簡単な質問(年齢、資産額、目的など)に答えるだけで、自分に合った投資プランが自動で提案され、そのまま始められます。

スマートフォン操作に慣れている方であれば、申し込みから運用開始まで10〜15分程度で完了するほど手軽です。

分散投資でリスクを抑えられる

ロボアドバイザーは、国内外の株式、債券、不動産など複数の資産に分散して投資する仕組みになっています。

たとえば、すべてを日本の株に投資していた場合、国内経済の悪化が資産全体に大きく影響するリスクがあります。
しかし、複数の資産に分けて投資しておけば、ある分野が下がっても、他の分野が支えてくれるため、全体としてのリスクを抑えることができます。

運用・管理がすべて自動

投資を始めたあとも、資産配分の調整(リバランス)や、利益が出たときの税金の最適化など、通常であれば専門家に相談しながら行うような運用作業を、すべてロボアドバイザーが自動で対応してくれます。

たとえば、株式市場が急落したときでも、自動でリスクを抑えるような調整がされるため、自分で判断して売買する必要がありません。
忙しい方や、こまめに運用状況を確認するのが負担という方にもぴったりです。

少額から始められる

ロボアドバイザーは、最低1万円から始められるサービスが多く、いきなり大金を投じる必要がありません。
「まずは退職金の一部だけ使って、様子を見てみたい」という方にも向いています。

たとえば、WealthNaviやTHEOでは1万円あればスタート可能で、入金したらそのまま運用が自動的に始まります。
最初は少額でスタートして、慣れてから金額を増やしていくことも可能です。

注意点|“安心”だが、万能ではないことを理解しておく

元本保証はない

ロボアドバイザーがどれだけ優れた仕組みでも、あくまで投資商品である以上、元本保証はありません。
市場の状況が悪化した場合、資産の評価額が下がる可能性があることは理解しておく必要があります。
特に、短期間での大きな値動きに敏感な方は、リスクの大きさを正しく把握しておくことが大切です。

●元本保証とは?
元本保証とは、「預けたお金が減らないように守られている仕組み」のことです。

たとえば100万円を預けた場合、損をして90万円になるようなことはなく、最低でも元の100万円は戻ってくるという約束がある商品を指します。
さらに、定期預金は預金保険制度の対象であり、預け先の金融機関に万一のトラブルがあっても、1,000万円と利息までは補償されます

手数料はやや高め

ロボアドバイザーの運用手数料は、一般的に年間で0.7%程度です。
これは、インデックス型の投資信託(0.1〜0.2%程度)と比較するとやや高めに感じるかもしれません。
しかし、投資先の選定から自動調整、税金対策までをすべて任せられる点を考慮すれば、安心して運用したい方にとっては妥当なコストともいえます。

●投資信託とは?
投資信託とは、たくさんの人から集めたお金をひとつにまとめ、プロの運用会社が代わりに株や債券などに投資してくれる仕組みです。
たとえば、「少しずつ、いろんな会社の株に分けて投資したいけど、自分では選べない…」という方にぴったりの商品です。

投資の仕組みはある程度理解しておく

ロボアドバイザーは非常に便利な仕組みですが、「完全に放っておいてよい」というわけではありません。
最低限、自分のお金がどんな商品に投資されているのか、どのようなタイミングで見直しが行われるのかといった仕組みは把握しておきましょう。
自分の資産である以上、「知らないままにしておく」のは避けたいところです。

主なロボアドバイザーサービス

ロボアドバイザーにはいくつかの種類があります。
それぞれ特徴が異なるため、自分に合ったサービスを選ぶことが大切です。

以下に代表的なロボアドバイザー4社の特徴をまとめました。

サービス名特徴最低投資額
WealthNavi(ウェルスナビ)日本で最も利用者の多いロボアドバイザー。
NISA口座にも対応しており、初心者にも見やすく操作しやすい画面が特徴。
長期資産形成を目指す人におすすめ。
1万円〜
THEO(テオ)質問数が多く、より細かく投資方針を診断。
20以上の資産クラスから自分に合った運用プランを作成してくれるため、納得感のある設計が可能。
1万円〜
楽ラップ(楽天証券)楽天証券の口座と簡単に連携でき、楽天ポイントを投資に使える点が魅力。
楽天サービスをよく使う人に向いている。
1万円〜
FOLIO ROBO PROAIを活用して相場の動きを予測し、柔軟なポートフォリオ運用を行うのが特徴。
やや中上級者向けで、より積極的な運用を目指す人に向いている。
1万円〜

サービスを選ぶ際は、「どれだけ手軽に始められるか」「操作画面はわかりやすいか」「リスクをどの程度取りたいか」など、自分のスタイルに合っているかを確認しましょう。

まずは複数のサービスで無料診断を受けてみると、自分に合った運用スタイルが見えてきます。

ロボアドバイザーが向いている人

ロボアドバイザーは、以下のような方に特に向いています。

  • 投資を始めたいけれど、商品を選べない方
    「どの株や投資信託を選べばいいのか分からない」「専門知識がなくて不安」という方におすすめです。
    ロボアドは、簡単な質問に答えるだけで、自分に合った運用プランを自動で作ってくれるので、商品選びに悩む必要がありません。
  • スマホやパソコンで簡単に管理したい方
    ロボアドバイザーは、すべてオンラインで完結します。
    スマートフォンやパソコンから残高や運用状況をいつでも確認でき、ボタンひとつで積立金額の変更や運用の見直しが可能です。
  • 手間をかけずに、長期的に資産を育てていきたい方
    忙しくて運用に時間をかけられない方や、こまめにチェックするのが苦手な方にとって、ロボアドは最適です。
    一度スタートすれば、自動で運用と調整を続けてくれるため、手間をかけずにコツコツと資産を増やすことができます。
  • 投資の失敗を避けたいので、プロに任せたい方
    自分で判断することに不安がある方や、過去に投資で失敗した経験がある方にも向いています。
    ロボアドは、過去の市場データや専門家の理論に基づいた運用を自動で行うため、感情に流されずに冷静な判断ができるよう設計されています。

退職金にどう使う?ロボアドの現実的な活用法

ロボアドバイザーは、退職金のすべてではなく、一部を活用することで、無理のない資産運用が可能になります。

  • まずは生活費を安全に確保する
    退職金のうち、すぐに使う予定がある分や、日常の生活費に必要な金額(おおよそ1〜2年分)は、定期預金や個人向け国債などの元本保証型商品で安全に保管しておくのが基本です。
    たとえば、月20万円の生活費が必要なら、300万円〜500万円程度はリスクのない形で確保しておくと、安心して運用に取り組むことができます。
  • 生活費を確保したうえで残る余裕資金の中から、まずは1万円程度の少額からロボアドを試し、運用の仕組みに慣れてきたら徐々に金額を増やしていくのが現実的です。

ロボアドは長期運用を前提とした仕組みのため、最初は金額を抑えてスタートし、仕組みが理解できてから金額を徐々に増やす方法がおすすめです。
「とりあえず始めてみる」ことで、投資への抵抗感を減らし、自分のペースで資産運用を進めることができます。

まとめ|「自分で選ばない投資」という安心のかたち

ロボアドバイザーは、これまで投資に不安を感じていた方にとって、非常に始めやすく、安心して利用できる仕組みです。
スマートフォンやパソコンから簡単に始められ、世界中のさまざまな資産に自動で分散投資してくれるため、手間をかけずに資産形成が可能です。

まずは生活費を安全な商品(定期預金や個人向け国債)でしっかり確保し、 そのうえで、使う予定のない余裕資金の一部をロボアドで“おまかせ運用”していく。

このように「お金の役割を分ける」ことで、退職後の資産を無理なく、安心して活用することができます。


※本記事は、特定の金融商品を勧誘・推奨するものではなく、一般的な情報提供を目的としています。実際の利用にあたっては、ご自身の目的やリスク許容度に応じて、よく確認のうえご判断ください。

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